茶器の紹介
Ｃ． 京焼(京都 清水焼)
急須
染付
染付（そめつけ）とは、白いやきものに藍色の文様が描かれたものをいいます。
中国では青花といわれていますが、これは、白磁に鮮やかな藍色の花模様が
映えるイメージがあります。
日本でいう染付という言葉は、恐らく染色の用語から来たものと思われます。
染付とは、単に白地に藍色の模様が描かれているだけでは染付とは呼びません。
では、具体的に染付とはどの様なものをいうのでしょうか。
まず、素地が白磁であること、さらに高火度焼成される透明釉の下に文様が
描かれていることです。
つまり、染付の素地は基本的に白くて硬い磁器であり、また、酸化コバルトを発色の
主成分とした呉須せ、素地に絵付けをしたあと透明の釉薬を掛けて約１３００度の
高温で焼成されたものを染付というのです。
★  染付 鳥獣戯画 豆急須 昭阿弥
急須に描かれた場面は鳥獣戯画の絵巻の中で実在します。
絵巻に出てくる場面を京焼絵付け師が忠実に再現しています。
藍一色の濃淡での染付の表現は水墨画の運筆です。
急須の表面の一筆一筆心を込めた筆使いはいまにも動き出しそう、
本当に生きているようです。
この急須の人の手で形を出した形状は丸味と微妙な指筋を帯び、
手に優しく、しっとりとなじみます
急須の内側は白。清水焼はお茶の色が綺麗に出ます。
京都 清水焼の場合、急須の形は一からロクロで手で作って、一筆ずつ手描きで
絵付けされますので、一点ずつ表情はことなります。
急須の容量は100cc。一杯飲みにふさわしいサイズ。
玉露などの高級なお茶を淹れるのに最適です。
 
煎茶は京都を中心に発展しました。
そして、江戸期、もっとも洗練され技術的に進歩していた陶磁器を焼いていた
のも京都でした。
煎茶の風が行われるまでは、お茶と言えば茶の湯、つまり抹茶でしたが、
売茶翁が現れ煎茶を当時の文化人のあいだに広めました。
この頃の煎茶の道具は主に中国から輸入されたものでしたが、次第に
京都を中心に煎茶専門の道具が焼かれるようになったのです。
記録に残るその最初のものは、雨月物語を著した上田秋成と村瀬栲亭が、
京五条坂の陶工、清水六兵衛に急焼（急須）と風炉を作らせています。
特筆すべきは、奥田頴川が、当時、九州でしかできなかっつた磁気を京都で
焼くことに成功し、今日の京焼の基をつくったことです。
以後、活躍した京焼の陶工は高橋道八、仁阿弥道八、青木木米、尾形周平、
永楽保全、永楽和全、欽古堂亀祐、三文字屋嘉助などがいました。
そのなかでも、特に京焼の煎茶道具に秀でていたのが青木木米で、様々な
道具を焼いています。
こうして、京焼は技術的にも当時最高水準に達し、その洗練されたデザインや
意匠の見事さは、染付、赤絵、交趾等の技法に遺憾なく発揮されています。
京都 清水焼は我が国最高水準の焼き物と言えます。
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